日本語教師を辞めようと思った2つの理由

日本語教師のつぶやき

こんにちは。

私は日本語学校で働き始めて9年目になります。転職経験はなく、日本語学校が人生で初めての就職先です。

世界に羽ばたける!」「いくつになっても活躍できる!」「外国人に携わる仕事、かっこいい」そんな思いを抱いて日本語教師への道に進む人も多いのではないでしょうか。

私自身もこの日本語教師という仕事が大好きでした。なのになぜ辞めたくなり、転職を考えるようになったのか。正直自分でも「これだ!」という理由がなかなかわかりませんでしたが、最近やっと気持ちの整理ができ、自分が退職を選んだ理由は大きく分けて2つだと気づきました。

この記事が全国の、全世界の悩める日本語教師に何かしらのお役に立てれば幸いです。

日本語教師を辞めたくなった理由

家での仕事が多い

この仕事を始めて以来、一番負担だったことは何かと聞かれたら間違いなくこれです。土日はもちろん、平日も家に帰って来てから翌日の授業準備に追われることが多く、辛くなりました。

「日本人なんだから日本語教えるのなんて誰でもできるでしょ」と日本語教師という仕事を知らない人からはよく言われますが、私達日本語教師は文型の分析、教案作成、教材作成、副教材(聴解、読解)の確認、作文の添削などなど。1回の授業に対し、多くの時間をかけて授業準備をします。給料も出ないのに・・・。

専任として1日職場にはいますが、うちの学校は専任は出勤中は授業準備が禁止されています。もちろん授業だけが仕事ではないので、他の業務も山ほどあります。そちらを優先するようにとのことで、職場で授業の準備はできません。

経験を積んで慣れていけば楽になる・・・そう信じていたのですが、私はあまり楽になりませんでした。教えるレベルや、授業日数など非常勤だと色々配慮してもらえるところも多いのですが、専任は無茶ぶりされることも多いです。

あいうえおを教える0初級、初中級、中級、上級、超級クラス、EJU、日本文化、会話クラス、特進クラスまでやらなければならない何でも屋です。

毎日違うクラスに最低週6回以上入ります。

クラス数も多く、カリキュラムを毎学期変わるため、「この教科書だけを極める」というのが中々難しい状況です。1度やった文型が再度当たることが多くないので、長年働いていても楽にはならず、未だに授業前は毎回緊張します。

そうして日本語教師を目指し、スタートを切った頃の勢いが徐々に衰え、思っている以上に疲弊していっていることに自分自身も気が付かずいました。

土日、休日に遊びに行っても思い切り楽しめず、人と会っていても

あぁ、帰ったら授業準備しなきゃな

移動中に導入文考えないとなあ

今日は1日休んじゃったから、明日は1日家にこもって来週の準備しなきゃ・・・

と憂鬱な気持ちがありました。何なら遊ぶことや休むことに罪悪感さえも覚えました。

平日も同じで授業が終わった直後は「あぁ~終わった!!!」と一時的に開放的な気持ちになれますが、家に帰ると「夕飯食べたら明日の授業の準備と確認しなきゃ・・・明日のクラスは問題を解くのが早いから時間が余ったら何をしようかな」と、またズーンとプレッシャーがのしかかる。

余裕のなさから次第に家でも笑顔が減っていき、リフレッシュもできず、

「私これからもずっと毎日毎日、何年もこれを続けるのかな・・・」

そんなことを思ったときに「私の人生は幸せなのかな」と立ち止まるきっかけになりました。

情熱がなくなった

これは何とも言いにくいのですが、労働条件を鑑みると日本語教師という仕事を続けられるのは、やりがいを感じられるうちだけだと思います。”惰性でただただ業務をこなすだけ”が出来ない仕事だと私は感じました。

「少しでも学生の役に立ちたい」

「できることは全てしてあげたい」

「頑張っている学生が可愛くて仕方がない」

というような留学生に愛情や奉仕の心がないと務まりません。(ごくまれにビックリするくらい学生に関心がないドライな先生もいますが)

もちろん長年勤めてきた中で「もういやだ・・・辛い。やめたい」と思ったことは何度もありますが、授業がうまくいけば嬉しいし、学生から感謝されれば幸せだし、マイナス要素を大きく超えるやりがいと喜びが「大変だけど頑張ろう」と私を奮い立たせました。

しかし、先ほども述べた通り想像以上に心身が疲弊していることに自分自身が気が付かず、その疲弊に対して【やりがい・喜びチャージ】が追い付かなくなってきました。今までだったら踏ん張れたところだったのに、糸が切れたかのようにある日プツッと「あ、もうこの仕事やめよう」となってしまいました。

こうなってしまったら、この仕事はとても辛い。

「学生のために!!」と頑張っていた授業準備も本当にただの辛い作業になる。

こんな気持ちで教壇に立つのは申し訳ない。

でももしかしたら、もう少ししたらいつもみたいに回復するかも…と、わずかな可能性も捨てませんでしたが、私の意思は変わりませんでした。

私の中の情熱が完全に消えてしまった

これが私が退職を決めた1番の大きな理由です。

お詫びとまとめ

今回の記事は現役バリバリやる気満々な日本語教師の方や、これから日本語教師をめざす方に、すごくネガティブなイメージを与えてしまって、大変申し訳なく思っています。申し訳ありません。

TwitterでのリプやDMなどで「なぜ退職するのか」を聞かれたときに上手く答えられませんでしたが、今回の記事を通して頭のなかのモヤモヤを言語化したら自分的には少しクリアになりました。

大変さ辛さばかりが悪目立ちしてしまっていますが、日本語教師をしていて本当に良いこともたくさんありました。同じ職場の方や学生からたくさんのことを教わりました。海外で日本語を教えるという貴重な経験もさせてもらいました。たくさん笑い合ったり、時には怒ったり、珍事件の数々や、何千人もの学生と接した素敵な思い出は間違いなく私の中の大きな財産です。

もし周りに日本語教師になるか迷っている人がいたら、私は「絶対にやった方がいい」と言います。ただ、私の二の舞いにならないように応募前にその学校についてよく調べ、働き始める前に色々質問した方がいいとは伝えます(笑)

(有給の消化率や、昇給の基準についてハッキリと答えてくれる日本語学校は良い労働環境だと思います。テストの作成はあるのか、宿題や作文のチェックは手当があるのか、とかもね。フラッシュカードや絵カードなどが充実しているところだと授業準備の時間が減らせて楽になる・・・かも?)

この世界に飛び込むことも勇気。留まることも勇気。そして去ることも勇気。

どんな決断をするかはいつだって自分次第!

周りからの目よりも、自分軸が大切だと思います。

以上、私の退職理由でした。転職経験のある方は是非私にご教授くださいませ~。

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コメント

  1. 743 より:

    はじめまして。Twitterから来ました。
    ここに書かれていることは、私のことかと思いました😅
    私は、転職して日本語教師になりましたが、正に、圧倒的に休日を楽しめなくなりました。
    私も部署移動が多く教える日本語の種類が安定しないため、何年経っても授業準備が楽になりません。。異文化交流は、楽しいんですけどね、、。
    そして、退職を考えています。

    辞めるまでの残りの日々、大切にされてくださいね。

    • はじめまして!コメントありがとうございます。残りの日々も頑張ります!
      私も外国人と交流するのが大好きですし、学生と教室で笑い合っている瞬間はすごく幸せです。
      天職だと思っていたのですが…なかなか難しいですね。。次は仕事は職場に行ってする職業がいいなと思っています。
      743さんも退職をお考えなのですね・・・。心と体の健康が一番です。
      頑張りすぎないでくださいね!

  2. もう より:

    良かったらうちに来てください。
    設立したばかりの日本語学校です。
    何でも相談可能ですし、とても楽です。

    • コメントありがとうございます。
      そして嬉しいお誘いもありがとうございます。
      ですが、私は新しい道に進むことを決めたので、しばらくは新たな道で挑戦していくつもりです。

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