こんにちは。
突然ですが、みなさんの勤めている日本語学校には4~9月に行う「進学指導カリキュラム」ありますか?
受験に特化した学校も多いかと思いますが、「学生が願書持ってきたら文法のチェックをする」「面談の流れで頼まれたら良さそうな学校を紹介する」など受け身になってしまっている先生(特に経験の浅い先生)は何をしたらいいのか迷うところですよね。
留学生を対象にした入学試験は10月以降に行っていく大学が多いですが、この時期に学生にしてあげられることがないかとお悩みの親切な先生にこの記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
3年間難関大学コースを担当した私の経験をもとに、
おすすめの指導法などの一部をご紹介します
志望校は?早稲田大学です
4月~6月に面談を行うと中国の学生の多くが志望校を「早稲田!!!」と答えて来ます。(私の学校だけですか?笑)
この時はまだEJUを受けていない学生も多く、志望校について調べたり、進学説明会に参加したこともない学生が多いので仕方がないのかもしれませんが、全員が全員早稲田大学に行けるわけではないので、この時期には早稲田以外の大学を教えてあげること(もちろん早稲田以外をちゃんと見ている子もいますが)や、大学のネームバリューに囚われている子が多いので、「何がしたいか」を掘っていく作業をしていくと良いと思います。
そこでおすすめなのが、こちら。
本の名前こそAO入試・推薦入試が対象、しかも日本人の高校生向けですが、中身は留学生の進学指導にもかなり使えるなと思った一冊です。(ネットで調べると楽天やヤフーにはなく、今はアマゾンでしか売っていないようでした・・・)
大学受験のピークを迎える前に私のような日本語教師がしてあげられることはもっとないのかなとモヤモヤを抱えて本屋に行ったときにたまたま手に取った一冊がこれでした。
【左ページで書き方や面接の応答などについて学び、右ページで自分の語るべきことについて書き込んでいくワーク形式。説明に沿って書き込むうちに、自ずと語ることが見えてくる。】
というもので、これがネームバリューに囚われている学生に効果抜群でした。留学生が大学受験をする場合EJUは重要だけど、それだけじゃないんだよというのを感じてもらうのにピッタリです。
特に志望理由のところは「その大学に行きたい理由」「その志望理由をもつようになったきっかけ」「志望理由の社会的意義や具体的なビジョン」「大学の魅力」の4つに分けられており、これについては書けるけど、こっちについては全然書けないというのが露呈する瞬間で、学生が「あれ・・・?」と首を傾げ始めたり、頭を抱えたりするので結構やらせる側も楽しいです。
「小学校の頃の夢は何だった?」「高校のころ頑張ったことは?」など日本に留学する前の学生の様子も知れて面白い。
もちろん志望校が決まっていない学生も多い時期なので、その場合は志望理由書の良い例と悪い例を見せて、悪い例はどこが悪いのか、どうしたらいいのかを考えるだけでも良い練習になる。
EJUがもちろん大切な時期でもあるのですが、【受験】も意識しながらこの時期を過ごせるのがベストかなと思います。
EJUの結果が出始めたら
6月のEJUの結果が7月の終わりごろに出るので、そこからは少しずつ現実を知ってもらうための時間にシフトしていきます。(まだ11月のEJUでチャンスがあるからと、頑なに動こうとしない学生もいますが)
そこで使うのが「にほんご書店そうがく社」の大学進学調査です。
もし、あなたの働いている日本語学校がこれに参加していないなら、今すぐにやるように訴えた方がいいです。
去年この大学に受かった留学生はEJUは○○点、N1を持っていて、英語の試験はこのくらいで…と細かく書かれています。不合格になった人のデータもあり、これが非常に学生に刺さります。成績が全てだ!と思っている学生にも「EJUの日本語350点取っているのに不合格になっている人がいるのか・・・」と志望理由や面接の重要性を知ってもらう良い機会になるかと。
少し現実を知ってもらった上で、オープンキャンパスや説明会に行くように促すようにしています。
まとめ
大学を目指す留学生にとってEJUが重要なものであることは留学生自身もわかっていることが多いが、それ以外の受験準備をいかに早く始められるかが、勝ち抜く可能性を高めることになるので、教師側がいかに情報を提供してあげられるかが重要だと思う。
学生から声かけられ待ちにならずに、頼れる頼られる先生が日本語学校にいるとEJU前や受験シーズンの出席率の低下も防げます。学生に「日本語学校来ると良いことあるな」と思ってもらえるこちらも嬉しいですし(^▽^)
それではまた。
コメント